2016年7月13日 布袋劇「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」――説経節雑感

布袋劇(ほていげき)と言う人形劇をご存知でしょうか。

布袋劇とは(以下Wikipediaより抜粋)

布袋劇(プータイシー、ほていげき)は中国台湾の民間芸能の一つ。別に布袋木偶戯手操傀儡戯手袋傀儡戯掌中戯小籠指花戯などとも称される。その起源は17世紀中国福建省泉州或いは漳州に遡ることができ、福建泉州、漳州、広東潮州及び台湾等で一種の人形劇として現代に伝わる。人形の頭部や手足部は木製であり、それ以外の身体部は布製の衣服により構成されており、演出時は手を人形衣装の中に入れて操作する。「布で作られた袋状の人形」を用いたことから布袋劇の名称が生じた。

布袋劇の特徴としては音楽伴奏を伴い、出場詩念白説書口白と人形操作により構成され、人声曲調唱腔表現は余り多用されないことが挙げられる。

Handrama_doll_BlueButterfly

現代布袋劇の人形

以上が布袋劇の説明だが、簡単に言うと日本に昔より残っている人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)と似た物です。
なぜ布袋劇の事をお伝えしたのかといいますと。。。
先日子供と録画したテレビを見ていた所、この布袋劇が現代ファンタジー人形劇としてTOKYO MX TVにて日本と台湾の共同制作で放送されていたのです。
何気に見始めるうちに、この人形劇の出来の素晴らしさと操り人形の熟練した動きにすっかり虜になってしまい見終わった時には感動を覚えました。
是非これは皆さんにご紹介しなければと思い立ったのですが、最初は説経節のサイトである場所に書き込んで良い物か悩みました。ですが弟子の独り言とお許し頂けるだろうと思い切ってご紹介させて頂きます。

物語の内容については1話目が動画で公開しているので、後程動画を見ていただくとして、作りは現代の3D技術と人形劇を組み合わせた物なのですが、何より驚くのは人形から伝わる個性です。
操り人形のキャラクターから個性や表情が伝わると言うのは、操作している方の卓越した操作技術があってこそだと思います。
布袋劇の人形操作を調べてみても、日本の人形同様に相当難しい物だという事がわかります。
それを、こんな風に動かすの?と思わず見入ってしまいます。
それとカメラワークや背景の遠近感、粉塵なども一役かってると思います。
これらについても「やっぱり3Dかな?」と最初は思っておりましたが、見ているうちにコンピュータによる作り物では無く、人の手によって作りこまれている物だとわかってきます。
そのような丁寧な仕事を見たら、どんな風に作っているのか気になってしまって調べてみた所、メイキング動画と1話目が無料で見られる事が分かったのでご紹介します。下記アドレスよりご覧ください。
トップに大きくメイキング動画が出ていますが、これだと再生エラーが出る可能性がありますので、そこより少し下にエピソード一覧がありますので、そちらをクリックしてから再生してみて下さい。

http://www.animatechannel.com/movie/329692709221762

どうでしたでしょうか?
作り方がすごいです。
脚本や演出も実にニクイです。
「1話目」を見てからメイキングの「0話」を見た方が良いかもしれません。
見ていただくと分かりますように、粉塵や靄、背景や人形までも人間の手作り。人形の頭は一点物の手彫り。昔ながらの製作方法です。
しかもそれを投げてしまったりしています。
昔ながらの人形劇を継承しつつ現代版に作り変えた事がよくわかります。
どの年代をターゲットに作られたのか分かりませんが、幅広い年齢層に楽しんで頂けるのではと思います。
少し子供じみてるとお感じになる方は、見る角度を変えていただき、これが伝統芸能で作られていると言う事を念頭に置いて頂き見て頂ければと思います。

一度生で見たい物です。
第2話は7月15日(金) PM11よりTOKYO MX TVで放送予定です。

弟子 田嶋

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