新年が始まりました

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

新しい年もはじまり、ちょうど企業なども本格的に稼動し始める時期となりました。
景気も少しは上向きになったと言われていますが、我々庶民にはあまり肌で感じる事が出来ないように思えます。
そんな中、世の中の求人状態はどうなっているのか疑問に思い求人情報を調べた所、「ドキッ」とするような募集がありました。

「伝統芸能 求人」

「えっ。伝統芸能で食べている所があるの?そして求人?」
と少々驚いてしまいました。
昔は伝統芸能は盛んだったので、芸能一本で生計を立てている方はいらっしゃいましたが、弟子を取るにも現代のように求人広告があるわけではありません。

「世の中変わったなー?」と思い内心ウキウキしながらページを見たところ。。。

なるほどー。。。。

求人情報を良く見てみると、伝統芸能を継承する募集ではありませんでした。。少々残念。

内容はこうです。

「地域おこし協力隊募集」
どんな事をするのかと言うと

<共通する活動>
 ・メディアを活用したSNS等による情報発信
 ・地域資源を活用した地域おこしの企画・実施
 ・地域ブランドや地場産品の開発、広報宣伝および販売促進活動
 ・地域行事、地域の伝統芸能等への支援活動
 ・都市地域住民との交流活動
 ・移住者受入れに係る支援活動
 ・地域の情報発信活動
 ・農林水産業、観光商工業への従事活動
 ・地域の美化、その他の環境保全活動
 ・上記の活動のほか、八丈町地域おこし協力隊の活動として町長が適当と認める活動

なるほどですね。
伝統芸能への支援が活動の一環として入っているんです。
しかも!給料まで出ちゃうんですね。
月額166,000円

確かに地域の事を一生懸命やってくれる人がいれば、何かと助かりますよね。
でもこれだけの事を一人でカバーするとなると本当に大変です。

とてもヤリガイのある仕事だと思います。でも大変です。
きっと素晴らしい方が応募してくるんだと思います。何かウキウキ致します。

私も影響をうけたのか、今年はウキウキするような事を何かしたいと思った次第です。

弟子 田嶋

参考資料

http://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/search/detail/14128

2017年6月26日 武州世直し一揆150周年記念集会公演動画

youtubeに動画が公開されていました

先日若松若太夫師が公演しました「武州世直し一揆150周年記念集会」の公演動画が公開されていましたのでビデオを貼り付けました。
よろしければご視聴ください。
また、動画を使わせて頂きました撮影者様に感謝申し上げます。

2016年12月18日開催 第15回竹間沢車人形公演のご案内が出来上がりました。

今年もやってまいりました、第15回竹間沢車人形公演のご案内が出来上がりました。毎回、人形の写真が美しいです。若松若太夫は「山椒大夫 直井の浦・母子別れの段、鳴子の唄・母子対面の段」を語らせていただきます。毎年恒例の車人形教室もあります。伝統芸能とお客さんの距離がとても近い竹間沢車人形の公演です。会場はコピスみよしhttp://www.miyoshi-culture.jp/coppice/になります。皆さまのご来場、お待ち申し上げております。
記載 弟子結城
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2016年10月16日 第24回 三代目若松若太夫独演会のお知らせ 

恒例となっております、板橋区立郷土芸能伝承館での三代目 若松若太夫独演会のチラシが出来上がりました。
日時は11月5日(土)午後1時開演。今回の演目は「安宅の関 弁慶勧進帳の段」と「しんとく丸」になります。(詳細は、説経節公演案内をご覧ください。)

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私事ですが、先日しんとく丸が物語の中で舞を演じた四天王寺に行ってまいりました。
チラシにも「現代でよく知られている説経節がこの『しんとく丸』なのです。」とありますが、
四天王寺はいわゆる観光地のお寺、という感じではなく、地元の方々がお参りをして、のんびり時を過ごしたり、古本市が開かれていたり、お寺が生活の中に溶け込んでいる場所でありました。

実際の物語の内容は悲劇的ではありますが、この「しんとく丸」が長く語られ、聴かれ続けているのは、
今の四天王寺にあるような、生活の中に溶け込んだ信仰(のようなもの)があるからではないか、そんな事を考えました。

当日、皆様のご来場心よりお待ち申し上げております。

記載 弟子結城

2016年10月11日 説経節の年齢層は?――説経節雑感

 

先日思い立った事がありました。

「説経節に興味がある年齢層ってどのくらいなのだろう?」

実は若松会の弟子の年齢層は、記憶している限りでは

30代~90代

までです。

女性が含まれていますので公開して良いか迷いましたが、名前を公表していないのでお許し頂こうと思います。

簡単に考えれば上記年齢層に興味のある方が居る可能性があると言う事です。

ニッチな世界ではありますが、

若い世代の中にも興味を持っている方はいるはずです。

何か方法が無いかと考えた所

Facebookで閲覧者の年齢層を調べる事を思いつきました。

調べた所、

以外にも20代から40代の若い年齢層にも、このような世界に関心がある事がわかりました。

簡単にこのような事が出来る事は何か機械的で寂しいと感じるところもありますが、

今更ながらインターネットの便利さを感じた次第です。

記載 弟子田嶋

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2016年7月13日 布袋劇「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」――説経節雑感

布袋劇(ほていげき)と言う人形劇をご存知でしょうか。

布袋劇とは(以下Wikipediaより抜粋)

布袋劇(プータイシー、ほていげき)は中国台湾の民間芸能の一つ。別に布袋木偶戯手操傀儡戯手袋傀儡戯掌中戯小籠指花戯などとも称される。その起源は17世紀中国福建省泉州或いは漳州に遡ることができ、福建泉州、漳州、広東潮州及び台湾等で一種の人形劇として現代に伝わる。人形の頭部や手足部は木製であり、それ以外の身体部は布製の衣服により構成されており、演出時は手を人形衣装の中に入れて操作する。「布で作られた袋状の人形」を用いたことから布袋劇の名称が生じた。

布袋劇の特徴としては音楽伴奏を伴い、出場詩念白説書口白と人形操作により構成され、人声曲調唱腔表現は余り多用されないことが挙げられる。

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現代布袋劇の人形

以上が布袋劇の説明だが、簡単に言うと日本に昔より残っている人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)と似た物です。
なぜ布袋劇の事をお伝えしたのかといいますと。。。
先日子供と録画したテレビを見ていた所、この布袋劇が現代ファンタジー人形劇としてTOKYO MX TVにて日本と台湾の共同制作で放送されていたのです。
何気に見始めるうちに、この人形劇の出来の素晴らしさと操り人形の熟練した動きにすっかり虜になってしまい見終わった時には感動を覚えました。
是非これは皆さんにご紹介しなければと思い立ったのですが、最初は説経節のサイトである場所に書き込んで良い物か悩みました。ですが弟子の独り言とお許し頂けるだろうと思い切ってご紹介させて頂きます。

物語の内容については1話目が動画で公開しているので、後程動画を見ていただくとして、作りは現代の3D技術と人形劇を組み合わせた物なのですが、何より驚くのは人形から伝わる個性です。
操り人形のキャラクターから個性や表情が伝わると言うのは、操作している方の卓越した操作技術があってこそだと思います。
布袋劇の人形操作を調べてみても、日本の人形同様に相当難しい物だという事がわかります。
それを、こんな風に動かすの?と思わず見入ってしまいます。
それとカメラワークや背景の遠近感、粉塵なども一役かってると思います。
これらについても「やっぱり3Dかな?」と最初は思っておりましたが、見ているうちにコンピュータによる作り物では無く、人の手によって作りこまれている物だとわかってきます。
そのような丁寧な仕事を見たら、どんな風に作っているのか気になってしまって調べてみた所、メイキング動画と1話目が無料で見られる事が分かったのでご紹介します。下記アドレスよりご覧ください。
トップに大きくメイキング動画が出ていますが、これだと再生エラーが出る可能性がありますので、そこより少し下にエピソード一覧がありますので、そちらをクリックしてから再生してみて下さい。

http://www.animatechannel.com/movie/329692709221762

どうでしたでしょうか?
作り方がすごいです。
脚本や演出も実にニクイです。
「1話目」を見てからメイキングの「0話」を見た方が良いかもしれません。
見ていただくと分かりますように、粉塵や靄、背景や人形までも人間の手作り。人形の頭は一点物の手彫り。昔ながらの製作方法です。
しかもそれを投げてしまったりしています。
昔ながらの人形劇を継承しつつ現代版に作り変えた事がよくわかります。
どの年代をターゲットに作られたのか分かりませんが、幅広い年齢層に楽しんで頂けるのではと思います。
少し子供じみてるとお感じになる方は、見る角度を変えていただき、これが伝統芸能で作られていると言う事を念頭に置いて頂き見て頂ければと思います。

一度生で見たい物です。
第2話は7月15日(金) PM11よりTOKYO MX TVで放送予定です。

弟子 田嶋

2016年7月8日舞台見聞記ーー弟子体験記

浅草・浅草寺では9日・10日と毎年恒例のほおずき市が開かれ、電車の中でほおずきを持っている方を見かけるといよいよ夏の到来を感じるのですが、この時期に合わせて「浅草雑芸団・ほおずき市企画 日本の大道芸プロジェクト第十弾 言霊まつり」(こちらも毎年恒例!)が浅草木馬亭にて開催されました。
「今年は参議院選挙と時期が重なり、新聞での宣伝もあまり見込めないので思い切りマニアックな企画にしました(笑)」という口上から始まり、そのお陰で(?)今回は伊勢万歳の村田社中が東京では50年ぶりという芸を披露してくださる舞台に立ち会うことが出来ました。
万歳というと太夫と才蔵二人での掛け合いというイメージがあるのですが、この度拝見したのは三人で行う三曲万歳というもの、胡弓・鼓・三味線を自在に操り、言葉の掛け合いをテンポよくあそびたっぷりに行う芸に、神前における、古来から伝わる言葉の力を使った芸の本来の姿を垣間見た思いがしました。
最後に三味線の早川昭夫さんと少しお話出来た際に仰っていた「60年もやってるんだからねぇ」というお言葉には舞台の上とは裏腹にずっしりと重たいものを感じたのでありました。

 

2016年6月6日 読書メモ――弟子体験記

5月28日に水戸で行われた茨城民俗学会の公演にいらしていただいたお客様で、「これを読んでから来たんですよ」と水上勉さんの『説経節を読む』を鞄の中から見せて下さった方がいらっしゃいました。
なかなか一般的ではない説経節ですが、その中で少ない資料を読んできてくださったのだなあ思ったのですが、歌舞伎や文楽などは沢山本が出ているものの、それに比べたら説経節はとても本が少ないです。でもいい本はあるのです。

その中でも印象に残ったものを、少しご紹介できたらと。
丸山静さんの『熊野考』(せりか書房)は、「小栗判官」についてとても印象深い本です。
「説経『をぐり』という作品は、たんに小栗判官、照手姫のあれこれの「物語」を「ものかたる」ところの意味するもの=言語ではなくて、小栗判官、照手姫という、荒唐無稽、奇怪至極な出来事が出現する「場」であると考えなければならない。」(175頁)
決して単純ではない複雑な構造を持つ「小栗判官」が一体何を伝えようとしているのかをテキスト(場面)の機能に忠実になおかつ熱を込めて書かれた文章は何回読んでも新しい発見があります。
特に最後の「道行き」についての考察は、15年以上『をぐり』と向き合った著者の中から出た結論であり圧巻です。

記載 弟子結城

熊野考

2016年3月20日 演奏会――弟子体験記

3月20日の福岡河岸記念館での演奏会はとても良いお天気に恵まれました。
ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。

今回は「説経節を聞こう」ということで、主催者の方が企画してくださり、
はじめて聞くという方もたくさんいらっしゃいましたので、師匠による解説が長めに入りました。
説経節の歴史からはじまり、二代目と青木さんのウラ話(?)まで。
解説で説経の世界に入っていただいてから、演奏へという流れでございました。

演奏後、時間が足りなくなるくらいのご質問、ご意見。
二代目が復活した時の新聞記事を見ました、という方から昔使われていた「ささら」についてもっと知りたいという声や
今回の演目「さんせう太夫」の内容について、などなど。
遥か昔から伝えられてきて、今も残っているものに対してそのときの人がどのように考えてつくってきたのかを知ることは、難しそうでありながらも可能かもしれないというような妙味をたくさんのご質問から感じたのでありました。

私は、「御祝儀宝入船」を語らせていただいたのですが、まだまだ勉強不足でお恥ずかしいかぎり・・・。
新河岸川の水に流したい気持ちでしたが、皆様の熱気で持ち直した次第です。

記載 弟子結城

2016年3月18日 稽古――弟子体験記

演目「葛の葉」には狐のセリフが出てきますが、その時の狐の気持ちというのはどのようなものなのでしょうか? 
狐葛の葉は、石川悪右衛門に殺されそうになったところを安倍保名に助けられ、人間に化けて保名と夫婦となり子をもうけますが、その子童子丸に本当の姿を見られ信太の森に帰っていきます。
「恋しくば尋ねきてみよ和泉なる 信太の森の恨み葛の葉」
という歌いだしがあまりにも有名ですが、大阪北信太の「葛葉稲荷神社」へ伺ったときは、葉の表が緑で裏が白い葛を目にしました。「恨み」を「裏見」ととる、なんて事も聞いたことがあります。
お稽古で実際語るといつも棒読み、そのくり返しを抜け出せませんが、
この演目を聞くと、人がなかなか乗り越えられないものを漠然とですが感じます。
先日、豊竹山城少掾さんの「蘆屋道満大内鑑 葛の葉子別れの段」をCDで聞きました。
重厚な語りの中に狐のセリフが入るのですが、その瞬間、鳥肌が立ちそれは気味の悪いものだったのです。
何といったらよいのか人間から感情をすべて抜いたような奇妙な感覚です。
人の心に深く残るのは、必ずしも耳に良く聞こえるものだけではないのでこの体験は衝撃でした。
それが、何を意味するのか・・・考える日々です。

記載 弟子結城

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