令和2年3月15日 説経節記録映像作品「説経浄瑠璃 三代目・若松若太夫 一声二節のわざ」の完成ーー若太夫日記
昨年より、制作を開始いたしました私の日常の説経浄瑠璃師としての活動や、思いを、映しだした映像作品が完成いたしました。タイトルは「説経浄瑠璃 三代目・若松若太夫 一声二節(イチコエニフシ)のわざ」です。もともと若松の説経節を、多くの人に知ってもらいたいと考えたのが、映像制作のきっかけでした。
かねて親交のある遠藤協さんにお願いして、昨年春より制作に入り、秋の公演から今年の初めまで撮影。編集を経てここに完成いたしました。3月11日に板橋区立郷土芸能伝承館で社中を集めて試写会を行いました。
よくよく説経節を知っていただくには、短編でしかも内容も吟味したものでなければなりません。完成した作品は、まるでドキュメンタリー映画のような内容の深いものに仕上がりました。なるべく多くの皆様にご覧いただき、ご意見をいただければと思っております。 これからこの映像作品を数年かけて、広く普及させていきたいと思いますので、皆様方のご尽力をいただければ幸いです。
(若松若太夫)
三代目・若松若太夫さんの語りの存在感をカメラで切り取りたいと思いました。この映像をきっかけに説経節への興味を抱く方が増えてくれたら嬉しいです。
(遠藤協)
「説経浄瑠璃 三代目・若松若太夫 一声二節のわざ」(17分13秒)
一棹の三味線と自らの声をたよりに、哀感漂う、聞く人の涙を誘う弾き語りをきかせる説経浄瑠璃三代目・若松若太夫。
若太夫がめざす一声二節(イチコエニフシ)の説経とは?
日本舞踊家・坂東冨起子や八王子車人形五代目家元・西川古柳との共演を通して、その語りの姿に迫る。
(17分/2020年制作)
出演:三代目・若松若太夫 (東京都指定無形文化財・板橋区登録無形文化財保持者)
監督・撮影・構成・編集(著作) :遠藤協(えんどうかのう)
1980年生まれ。慶應義塾在学中に民俗学と文化人類学を学ぶ。
映画美学校ドキュメンタリーコース修了後、数多くのドキュメンタリー映画やテレビ番組、記録映像等の制作に携わる。
とくに東アジアの民俗文化や芸能のドキュメント制作に力を入れている。
2017年には、岩手県三陸沿岸で祈りの神楽を続ける黒森神楽衆の足跡を追ったドキュメンタリー映画『廻り神楽』を共同監督・プロデュース。
第73回毎日映画コンクールドキュメンタリー映画賞やキネマ旬報2017年文化映画ベストテンを受賞するなど、国内外で評価された。
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
協力 :国立劇場 ふきの会(坂東冨起子) 西川古柳座
練馬区教育委員会 板橋区教育委員会
板橋区立郷土芸能伝承館
製作:説経浄瑠璃若松会
(2020年3月13日公開開始)