2016年1月9日 浅草宗吾殿初護摩 ——若太夫日記

千葉県成田市の宗吾霊堂は佐倉宗吾の霊を祀ったお寺として有名ですが、その別院「浅草宗吾殿」が台東区寿三丁目にあるのをご存知でしょうか。江戸時代に宮川藩堀田家の下屋敷が寿三丁目周辺にあり、宗吾の百五十回忌に際して屋敷内に宗吾を祀り祠を建てたそうです。

維新後は誰でも参拝できるようになり、浅草という土地柄から信仰を集めましたが、戦災で焼失。昭和28年に再建されました。境内には歌舞伎座や明治座と刻まれた門柱などが残り芸界からの信仰の名残が現代に生きています。
現在高層ビルに囲まれた宗吾殿ですが、往時のたたずまいをいまに伝えています。日本芸能史の一コマとして永く記憶されるべきものと思います。

昨年の暮れにふとしたことで宗吾殿のことを知った私は、1月9日に行われる初護摩に参加させて頂くことになりました。 午前11時、町会の皆さんがお集まりの中、宗吾霊堂からご出張の僧侶によって読経、護摩祈祷がはじまると、私も護摩の炎に説経節復興の願いを込めました。

終了後、寿三丁目東町会の会館に移動しての直会にも参加させていただき、また町内に祀られる三峰講の御社にもお参りさせていただきました。説経節と三峰神社も関わりが深いので、不思議なご縁を感じました。 都会の真ん中にもいまだに昔からの信仰が息づいていることに驚きました。
寿三丁目東町会の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。

初護摩の炎振り立ち宗吾霊  艸右

浅草宗吾殿1
浅草宗吾殿

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