2016年1月16日 説経浄瑠璃鑑賞会——若太夫日記

先代が健在の頃から続いている板橋区主催の「説経浄瑠璃鑑賞会」が16日に行われました。毎年成増のアクトホールでやってきましたが、今年は改装工事のため板橋区立郷土芸能伝承館が会場です。
毎回ゲストをお招きしておりますが、今年はパンソリの金福実(キムポクシル)さんにお願いしました。パンソリの代表的な演目「沈清歌(シムチョンガ)」を太鼓の申貞媛(シンチョンウオン)さんとともに演じていただきました。

パンソリはそのテーマが説経と似ているところがあります。親子の別れ、再会。盲目の身の開眼などのテーマです。
ベースは仏教からのものと思われますが、韓国は儒教の影響が強いので親孝行などの思想もちりばめられています。
初めは普通の話し言葉ですが、徐々にフシにかかっていくところなど、やっぱり日本の語り物に似ていると思います。
その極め付きが「嘆き」のところです。語りでいえば「クドキ」ですが、その「嘆き」が並大抵ではない迫力で・・・。
キカせるんです。キムさんには大変な熱演をいただきました。ありがとうございました。

めでたしめでたしでこの項を閉じたいのですが、若太夫日記、説経浄瑠璃鑑賞会ということですと私のことにも触れなければなりません。「小栗判官一代記 照手姫二度対面の段」を語りましたが、正直どうも話しが今一つお客さんに伝わっていかない感じではじまり、結局最後まで挽回できませんでした。あのような時には、途中で目先を変える何かが必要なのかもしれません。私の技量不足を痛感した次第です。寅さんではありませんが、その後ひたすら反省の日々を送っております。
・・・・・・以上。

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